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アンケート自由記述の分析方法|大量の声を活用する

2026-07-12 · 約5分

アンケートの自由記述(フリーコメント)は、選択式では拾えない「本音」が詰まっています。しかし数が多いと集計が難しく、読んで終わりになりがちです。本記事では、設問の作り方から、集計前の下準備、Excelでの集計、AIによる自動化まで、自由記述を実際に改善へ活かす手順を解説します。

自由記述に価値がある理由

選択式の設問は「用意した選択肢の範囲」しか分かりませんが、自由記述には想定外の要望や具体的なエピソードが含まれます。ここを分析できるかどうかで、改善の質が変わります。

特に価値が高いのは、選択肢を作った側が思いつかなかった論点が出てくる点です。満足度が下がっている原因が、実は用意した設問のどこにも無かった、ということは珍しくありません。

回答を得やすい設問の作り方

分析の質は、実は設問の書き方で半分決まります。空欄や「特になし」ばかりでは、どんな分析手法を使っても何も出てきません。

  • 聞く範囲を絞る:「ご意見をお聞かせください」より「使いにくいと感じた点があれば教えてください」のほうが具体的な回答が集まります。
  • 1問につき1つのことを聞く:「良かった点と改善点」を1つの欄で聞くと、どちらか片方しか書かれません。
  • 選択式の直後に置く:「満足度3以下を選んだ方へ:気になった点は?」のように、直前の回答を受けて聞くと具体性が上がります。
  • 必須にしすぎない:必須にすると「特になし」が増え、かえって分析対象が濁ります。

自由記述が集まらない・少ないときは、設問より手前に原因があることも多くあります。回答者が「書いても反映されない」と感じている(前回の結果や改善を共有していない)、設問数が多く自由記述にたどり着くまでに疲れている、社内アンケートで記名式のため率直に書きにくい、といった点を見直すと、回答数と具体性が上がります。

集計前の下準備

いきなり分類を始める前に、次を済ませておくと後の作業が大幅に楽になります。

  1. 1行1回答の表にする:回答IDと本文の列を作ります。属性(年代・利用歴など)があれば列に足しておくと、後でクロス集計ができます。
  2. 無効回答を分ける:「特になし」「なし」「-」などは、削除せず「無効」ラベルを付けて残します。削除すると母数が分からなくなり、割合を誤ります。
  3. 表記ゆれをそろえる:全角と半角、送り仮名の違いは、この時点でそろえておきます。
  4. 個人情報を除く:氏名・連絡先が書かれている場合は、分析用の表から外します。

分析の進め方(アフターコーディング)

自由記述を後からカテゴリに分類する作業はアフターコーディングと呼ばれます。手順はシンプルです。

  1. まず30〜50件そのまま読む:出てくる話題を書き出し、そこからカテゴリ(テーマ)を作ります。先に頭で考えたカテゴリは、たいてい実態と合いません。
  2. テーマで分類:各コメントが何について述べているか(価格、品質、対応、使いやすさ等)でタグ付けします。まず5〜7個から始めます。
  3. 感情を判定:ポジティブ/ネガティブ/中立を付けます。
  4. 集計する:テーマ×感情で件数を数え、多い不満・多い称賛を洗い出します。

1件のコメントに複数の話題が含まれることは普通にあります(「価格は満足だが手続きが面倒」など)。この場合は無理に1つへ押し込めず、テーマごとに分けて数えるのが正確です。

Excelで集計する

数百件までなら、表計算ソフトだけで十分に分析できます。

  1. A列に回答本文、B列に「テーマ」、C列に「感情」の列を作ります。
  2. B列・C列は入力規則(プルダウン)でラベルを固定します。手入力にすると表記がばらつき、集計できなくなります。
  3. ピボットテーブルで「行=テーマ/列=感情/値=件数」に集計します。
  4. 属性列がある場合は、フィルタに年代や利用歴を入れると、層ごとの違いが見えます。

この作業を一度やると、カテゴリ設計の良し悪しがすぐ分かります。判断に迷う件が多いなら、テーマの定義が曖昧だということです。

頻出語だけでは足りない理由

自由記述の分析というと、よく出てくる単語を数える方法(ワードクラウドなど)を思い浮かべるかもしれません。全体の雰囲気をつかむには手軽ですが、それだけでは打ち手になりません。

たとえば「価格」という語が100件に出てきたとしても、「価格が高い」のか「価格が安くて満足」なのかは、語を数えるだけでは分かりません。語ではなく、意味(テーマ+感情)で分類する必要があります。頻出語は最初の当たりを付ける道具として使い、判断はテーマ別の集計で行うのが実務的です。

トピックモデリングとの違いと使い分け

自由記述の分析手法を調べると、トピックモデリング(LDAやBERTopicなど)がよく紹介されます。これは、あらかじめカテゴリを決めずに、単語の出現パターンから「話題のまとまり」を機械的に見つける手法です。便利な一方で、業務のアンケート分析にそのまま使うと扱いにくい点もあります。

手法カテゴリ向いている場面注意点
アフターコーディング(手作業)人が決める数十〜数百件。解釈の精度を重視したいとき件数が増えると時間がかかり、担当者で基準がぶれる
トピックモデリング自動で見つかる数千件以上で、どんな話題があるかを探索したいとき話題の名前は人が解釈して付ける必要がある。件数が少ないと不安定。回数ごとに結果が変わり、前回と比較しにくい
AIによる分類(ラベル指定)人が決め、AIが振り分ける定点観測・前回比較・改善につなげたいとき最初のラベル設計が品質を左右する

実務では、最初の1回だけトピックモデリングや手作業で「どんな話題があるか」を洗い出し、そこで決めたカテゴリを使って以降はAIで分類する、という組み合わせが扱いやすい方法です。カテゴリが固定されるので、回ごとの件数や感情の推移を同じ物差しで比較できます。

大量の記述をAIで分類・集計する

数百〜数千件のコメントを人手で分類するのは現実的ではありません。AIを使えば、各コメントのテーマと感情を自動で判定し、集計まで一気に行えます。似た内容の使い回しやまとめ処理で、費用も抑えられます。テキスト分類の実務ガイドの考え方がそのまま応用でき、集計と可視化の詳しい手順は口コミ・レビューを分析する方法にまとめています。

自動化しても、カテゴリの設計と結果の解釈は人の仕事です。前述のとおり先に30〜50件を自分で読み、テーマを固めてから自動化すると、出てくる集計がそのまま打ち手につながります。

結果の活かし方

  • ネガティブが多いテーマ=優先的な改善対象。件数が多いものから着手します。
  • ポジティブが多いテーマ=広告・LPで訴求できる強み。回答者の言葉をそのまま使うと効果的です。
  • 代表的なコメントを社内共有:集計表だけより、実際の声を数件添えるほうが現場の納得感が高まります。
  • 次回のアンケートに反映:多かったテーマは、次回は選択式の設問にすると、経年で比較できるようになります。

よくある失敗

  • 印象的な1件で方針を決める:強い言葉のコメントほど記憶に残りますが、必ず件数で確認します。
  • 無効回答を削除してしまう:母数が変わり、割合を誤ります。ラベルを付けて残してください。
  • カテゴリを毎回変える:定義を変えると前回と比較できません。変更した場合は変更日を記録します。
  • 読んで終わりにする:分類・集計まで進めないと、担当者の主観の域を出ません。
quonel の「レビュー分析」は、自由記述を「良い/悪い」と「何について」で集計し、代表的なコメントも抜き出します。ツール画面にコメントを貼るだけで使えます(Excelの列のコピーやCSVファイルにも対応)。

よくある質問

アンケートの自由記述はどう分析すればいいですか?

テーマ(観点)と感情で分類し、件数を集計すると全体傾向が見えます。代表的なコメントを併せて見ると、改善アクションにつなげやすくなります。

大量の自由記述でも集計できますか?

はい。まとめて分類・集計する設計なら、数百件規模でも低コストで「声」を定量化できます。

アンケートの自由記述はどうやって集計しますか?

まず30〜50件をそのまま読んでテーマ(カテゴリ)を5〜7個作り、各回答にテーマと感情のラベルを付けてから件数を集計します。この後からカテゴリを付ける作業はアフターコーディングと呼ばれます。数百件までは表計算ソフトのピボットテーブルで十分に集計できます。

「特になし」などの回答はどう扱えばいいですか?

削除せず「無効」ラベルを付けて残してください。削除すると母数が変わり、各テーマの割合を誤って読むことになります。無効回答が多い場合は、設問の聞き方が広すぎるサインでもあります。

トピックモデリングとAIによる分類はどう使い分けますか?

トピックモデリングはカテゴリを決めずに話題を探索する手法で、大量データで「何が話題か」を知る最初の1回に向きます。前回比較や改善につなげる定点観測には、カテゴリを決めてAIに振り分けさせる方法が扱いやすいです。

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